2015年5月17日日曜日

本当に農業が儲かるなら、パナソニック自体がが農作物を生産・販売しろよ。温度や日照量を自動で調節できる“ハイテク”ビニールハウスを販売




2015.3.22 07:08
  • 「脱家電」を打ち出すパナソニックが農業関連事業参入を本格化させている。センサーを内蔵し、温度や日照量を自動制御する“ハイテク”ビニールハウスを発売したほか、福島市の工場敷地内に発光ダイオード(LED)と空調を用いた植物工場を設置し腎臓病患者用の低カリウムレタスなどを栽培。農業は将来的に成長が見込める分野と判断して「本気」で取り組んでいる。畑違いとはいえ、家電で培った温度や照明の制御技術などを応用した商品は農業や作業を変える可能性を秘めている。(藤原直樹)
素人でも簡単に栽培
  • 「改良を重ねてシステムが完成すると、最終的にはハウス栽培が初めての人でも簡単においしい野菜をつくることができる」
  • パナソニックで農業事業や集合住宅事業を担当する子会社の柴達也取締役は、こう強調する。
  • パナソニックが販売するビニールハウスには生産者の栽培ノウハウをデータ化した制御装置が付属されており、センサーが感知した外気温や天候などを分析して遮光カーテンが自動で開閉するほか、送風や散水も自動的に行うことで常に最適な栽培環境を維持する。
  • 制御装置にはマッサージチェアなどに利用されるアルゴリズム(計算回路)を適用。送風装置はドライヤーで培った技術を応用しているという。
  • 現在のハウスは主にホウレンソウ用。ホウレンソウは夏場の栽培が難しく、通常は年4回程度の収穫になるが、このハウスを使うことで年8回の収穫が可能になり、生産者の収入増につながるという。
  • また、ハウスで収穫したホウレンソウはパナソニックが提携する青果流通大手、ケーアイ・フレッシュアクセスを通じて量販店や飲食店に計画的に販売できる。ハウスは10棟1セットで、販売価格は5500万円程度。
  • 現在のところ、埼玉県や茨城県で計3件の納入実績があるだけだが、パナソニックは平成28年度には50億円の売上高を計画。ホウレンソウ以外でもイチゴやトマト用のハウスも販売することで、早期に100億円以上に引き上げることを目指している。
どこでも新鮮野菜
  • 一方、植物工場は福島市のデジタルカメラ工場内に設置した。パナソニックがデジカメの国内生産を縮小したことに合わせ、空いた建屋を改装した。
  • 植物工場の広さは約1600平方メートル。LED照明を用いた完全密閉式で、温室部分の面積は840平方メートルになる。空調も備え、栽培に最適な日照量と温度を自動的に調節する。
  • 生産品目はレタスを中心にミズナ、ホウレンソウなどで、人工透析をしている患者でも生で食べられる低カリウムレタスなどの高機能野菜も生産する。生産能力はレタス換算で最大1日1380株。
  • 今後は空調・照明の制御技術の改良を進め生産量の増大や品質の均一化に取り組む。植物工場は経済産業省の先端農業産業化システム実証事業の補助対象に採択され、約1億6千万円の助成も受けている。
  • また、パナソニックはシンガポールでも植物工場で野菜の生産を開始。シンガーポール国内の日本食レストランに新鮮な野菜を供給している。シンガポールは農地面積が狭いため、植物工場が食糧自給率引き上げにつながるのではと期待されている。
  • パナソニックは「植物工場を利用すると季節や天候に左右されず1年中安定して生産が可能。世界中どこででも新鮮な野菜を食べることができるようになる」と説明する。
“畑違い”成功なるか
  • 家電や住宅事業で培ってきた技術を活用して農業分野に本格参入したパナソニック。“畑違い”の分野で計画通りに成長させていくことができるだろうか。
  • パナソニック製のビニールハウスを買った農業生産法人「こだわり環境」(埼玉県川越市)の森下登志夫社長は「『パナソニック』はやはり家電のイメージが強く、最初は『農業』とは結びつかなかった」と苦笑しながらも、「ハウスを導入して農作業の負担が10分の1近くまで軽減した。温度や水分管理が行き届いているのか、通常の露地栽培に比べて野菜の日持ちが2~3倍になる」とハウスの実力を高く評価する。
  • 先行導入したこだわり環境には、ハウスに興味を持つ生産者からの見学依頼や問い合わせが多く寄せられており、パナソニックは手ごたえを感じている。
  • 導入実績が増えると、パナソニックは利用者から生産ノウハウや課題を聞き取って制御装置に反映することで、ハウスをさらに改良していく方針。
  • ネックになるのは5千万円を超える導入費用だが、生産量の増加に加え、作業負担が減少し人件費抑制につながることから、柴取締役は「投資分は6~7年で回収できる」と話す。
  • 農業は後継者など担い手不足が深刻化する半面、法人経営による大規模生産も増えている。パナソニックは規模拡大を目指す大規模農家をターゲットにハウスの売り込みを図る。
  • 一方の植物工場も品質維持と安定供給が見込めるため、スーパーなどの流通や飲食チェーン、医療機関などから期待が大きい。
  • パナソニックは脱家電によるBtoB(企業間取引)シフトを進めているが、津賀一宏社長は「パナソニックのコア(核)は家電にある」と、家電で培った技術やノウハウをBtoBでも強みにしていく考えだ。
  • 農業分野への家電技術の応用はこれまであまり例がないため、パナソニックの農業分野の事業は大きく成長する可能性を秘めているといえそうだ。
引用元: パナソニックが畑違いの“農業革命” 「初心者でもおいしい野菜つくれます」 (1/5ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ).

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